マッキントッシュ - VMS/UNIX コンピュータ間のファイル転送



ファイルをマッキントッシュと VMS または UNIX マシンとの間で交換するには、 AppleShare を利用する方法と FTP による方法の二通りがあります。 ここでは、マッキントッシュ上の FTP client application「Fetch」を使って ファイル転送をする場合の注意点などについて、説明します。

マッキントッシュ上で Fetch を起動し、 接続先のノード名、ユーザ名、及びパスワードを入力すると、 FTP のセッションが開始します。 接続中は以下のようなウインドーが表示され、 「Put File...」「Get File...」ボタンをクリックするか、 ファイルをマウスでドラッグすることによって、 マッキントッシュから VMX/UNIX ホストへ、 あるいはその逆にコピーすることができます。

「図:Fetch 3.03 の動作画面」

ファイルの転送時にそのファイルが Binary 形式で扱うものか、 Text 形式で扱うべきものかは、 通常 Fetch が自動的に判断しますが、 ウインドー内のスイッチで指定することもできます。

Text 形式のファイルを転送する場合、日本語コードを含むものの場合は、 その日本語コードの種類に注意をはらう必要があります。 マッキントッシュでは Shifted-JIS コードを使用していますが、 VMS マシンでは DEC 漢字コード(ほぼ EUC コードと互換)が標準ですし、 UNIX マシンでは、 7-bit JIS コードを使うのがいいでしょう。 いずれにしろ、日本語コードを含む text ファイルを他のマシンに転送する場合は、 そのファイルを text 形式で転送した後、コードの種類を転送先のマシンに合うように 変換しなくてはなりません。 以下に、マッキントッシュと VMS/UNIX コンピュータ間で Fetch を使って 日本語コードを含む text ファイルを交換する場合の注意点などを説明します。

マッキントッシュから VMS/UNIX ホストへ

ファイルフォーマットや日本語コードの問題を考える前に、 まず、マッキントッシュ上で VMS/UNIX 上で扱えるようなファイル (一般的な text 形式のファイル)を作っておく必要があります。 EGWord や、 MS Word で作成した文書ファイルは、一般的には VMS/UNIX マシン上で 見ることはできませんから、 そのままの形式では、 一度そのマシンに送って その後また別なマッキントッシュにコピーするというような場合以外は無意味です。 EGWord や MS Word には、 ファイルを保存するときに text 形式を指定するためのスイッチがあります。 text 形式で保存できない application の場合は、 SimpleText を起動し、text 部分をカット・アンド・ペーストで取り出し、 text だけからなる SimpleText 文書を作成します。 下の図は、EGWord 9.0 の場合の「保存」のメニュー画面です。
「図:EGWord 9.0 の保存メニューの画面」
ここで、保存形式を「その他」として、 「テキスト形式」あるいは「テキスト形式(行改行)」を選ぶことになります。 どちらを選ぶかは、転送先でどういう処理をするのかによります。 多くのワードプロセッサでは、改行キーは実際改行ではなく 段落の区切りとして使われ、 改行の位置は用紙の幅などから自動的に計算されます。 「(行改行)」でないほうの「テキスト形式」では、 VMS/UNIX マシンにコピーした時、段落の区切にのみ 改行コードが入ります。 「(行改行)」では、段落の途中であっても、一定の文字数毎に 改行コードが入ることになります。 「(行改行)」なしの場合は、 あまり長い段落があるような時、特に VMS マシンの場合は、 転送時またはアプリケーション( XTPU/JTPU など)使用時に、 エラーを生じることがあります。

作成した文書ファイルは、 Fetch の Text 形式モードで VMX/UNIX に転送します。 この時、 Fetch の初期設定によっては、べつのコード変換が働いてしまう場合が あります。 これは Fetch の「Preferences...」のメニューで確認します。

「図:Fetch 3.03 の Preferences メニューの位置」 「図:自動コード変換のオフ」
Fetch 3.03 の場合、左の図のように「Customize」メニューから「Preferences...」の 項を選ぶと右の図のようなウインドーが開きます。 ここで、もし、「Translate ISO characters」のチェックボックスが チェックされている場合は、それをはずします。 ( D208 の Power Mac G3 等は、すでにこのように設定されています。)

ファイルのコピーが終了したら、転送した先のホストで次のようにして 日本語コードを変換してください。

VMS/UNIX ホストからマッキントッシュへ

VMS/UNIX ホストからマッキントッシュへコピーする場合も、 Fetch の Text 形式のモードを使います。 転送後、「JCONV-DD」等の application で日本語コードを Shifted-JIS に 変換すると、SimpleText 等で見ることのできるファイルになります。

Fetch には、 download 時にファイルの種類を認識して、 特定のものに対して、download 終了後に自動的に他の application に ファイルの処理をさせるようする機能があります。 これを使って text ファイルを VMS/UNIX マシンから Fetch でコピーした時、 自動的に JCONV-DD に日本語コードの変換をさせるように設定することができます。 ( 三重大学富樫研究室の設定例) (D208 の Power Mac G3 等は、すでにこのように設定されています。) ただし、この場合でも、 複数のファイルをまとめてマウスでドラッグしてコピーしようとすると、 うまく行かないようです。

このようにマッキントッシュ上での日本語コード変換に JCONV-DD を使う場合、 変換後のファイルを SimpleText 等の application で見られるようにするために、 JCONV-DD の「Preferences...」を次のように設定しておきます。

「図:JCONV-DD の設定画面」
(D208 の Power Mac G3 等は、すでにこのように設定されています。)

参考 WWW サイト



Masahiko Yokoyama
yokoyama@hep.px.tsukuba.ac.jp
Last updated: June 2, 1999