申請領域の国内・外の研究状況
本領域は,現在の素粒子物理学においてニュートリノの研究と並び,
最も活発に研究の行われている分野である。
さらにKEKのBファクトリーに代表されるように,
我が国の加速器を用いた実験研究が世界のトップを走っている
分野である。
現存するトップファクトリー,FNALのテバトロンは,
今後約5年間でヒッグス粒子を直接生成できる可能性がある唯一の加速器である。
KEKのBファクトリーは,B中間子のCP非保存の研究やタウレプトン稀崩壊の測定について
米国スタンフォード大学のBファクトリーと熾烈な競争をしている。
KEK,BNL,FNALの陽子シンクロトロンは,それぞれ異なったエネルギーのK中間子を発生させる
Kファクトリーである。
本領域は,これら現在稼動しているすべての粒子ファクトリーを用いて,包括的徹底的に
研究をしようとする意欲的な提案である。
しかも,この領域に参加している研究者は,それぞれのファクトリーにおいて
すでに顕著な実績をあげており,この意欲的な研究を遂行するのに国際的にも十分な
資格と能力がある考える。
現在,我が国の素粒子物理学はきわめて高い水準に達している。
国内・外の状況は,本領域の設定により,
我が国の素粒子物理学研究者が素粒子物理の基本的問題「質量の起源」に
決定的な役割を果たすことができることを強く指示している。
本領域の研究成果は,今後の素粒子物理学の方向を決めていく大きな役割を担うことに
なる。
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