計画研究A01:高エネルギー陽子・反陽子衝突によるヒッグス粒子の探索
代表 | 金 信弘 | 筑波大学物理学系 | 教授 | 素粒子実験 |
| 滝川 紘治 | 筑波大学物理学系 | 教授 | 素粒子実験 |
| 受川 史彦 | 筑波大学物理学系 | 助教授 | 素粒子実験 |
| 原 和彦 | 筑波大学物理学系 | 講師 | 素粒子実験 |
| 清矢 良浩 | 筑波大学物理学系 | 講師 | 素粒子実験 |
| | | | 以上5名 |
研究の進展状況とこれまでの主な研究成果
「陽子反陽子衝突実験によるヒッグス粒子の探索(計画研究A01)」では、米国フェルミ国立加速器研究所の陽子・反陽子衝突型加速器テバトロンおよびCDF検出器を用い,世界最大の重心系エネルギー2TeVでの陽子・反陽子衝突によって生じる事象の性質を調べることによって、素粒子物理研究を行う。2001年春より本実験が開始され,現在データ収集とそれに並行した物理解析が進行中である。解析結果としてはボソンとのみ結合するボソフェリック・ヒッグス粒子を探索した結果、質量下限値として82GeV/c2を得た。今後の物理解析の計画としては、ヒッグス粒子探索のいくつかのチャンネルについてのシミュレーションが行われており、信号・バックグラウンド比を改良するための解析方法の検討が行なわれている。
また検出器開発計画としては、高放射線耐性シリコン飛跡検出器の開発が順調に進展して、実機用シリコンセンサーを60枚試作した。このテストの後、12月より大量製作を開始する予定である。この生産時には,
企業と協力して品質検査を行う。このシリコン・センサーをフェルミ研究所に送り、
そこでシリコン飛跡検出器に組み上げた後に再度検査を行う。この組み上げと
検査は米国側研究者と共同で行う。
CDF 実験グループの海外の他のメンバー
とも密に協力して実験を進めるために,月2度位の頻度で研究状況をまとめて
議論するミーティングをテレビ会議を用いて行っている。
研究成果公表の状況(主な論文等一覧)
(1) T. Affolder, S. Kim et al., (CDF Collaboration) "Search for new heavy particles in the WZ0 final state in p anti-p collisions at s**(1/2) =1.8 TeV" Phys. Rev. Lett. 88, 071806 (2002).
(2). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration) "Search for single-top-quark production in p anti-p collisions at s**(1/2) = 1.8 TeV " Phys. Rev. D65, 091120 (2002).
(3). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration) "Measurement of the ratio of b quark production cross-sections in
anti-p p collisions at s**(1/2) = 630-GeV and s**(1/2) = 1800-GeV"
(4). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration)
"Diffractive dijet production at s**(1/2) = 630-GeV and 1800-GeV at the
Fermilab Tevatron"
Phys. Rev. Lett. 88:151802 (2002).
(5). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration) "Measurement of B meson lifetimes using fully reconstructed B decays
produced in pp collisions at s = 1.8-TeV"
Phys.Rev.D65:092009 (2002).
(6). T. Affolder, S. Kim et al., (CDF Collaboration) "Charged jet evolution and the underlying event in proton anti-proton
collisions at 1.8-TeV"
Phys. Rev. D65:092002 (2002).
(7). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration) "Search for new physics in photon lepton events in p anti-p collisions at
s**(1/2) = 1.8-TeV"
Phys. Rev. Lett. 89:041802 (2002).
(8). D. Acosta, S. Kim, et al., (CDF Collaboration) "Comparison of the isolated direct photon cross-sections in p anti-p
collisions at s**(1/2) = 1.8-TeV and s**(1/2) = 0.63-TeV"
Phys. Rev. D65:112003 (2002).
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