<宇宙背景ニュートリノ崩壊探索 COBAND Cosmic Background Neutrino Decay Search

english
ホーム
目的
装置
共同研究者
論文・講演リスト
リンク
お問い合わせ

装置

    COBANDロケット実験では,高いエネルギー分解能で遠赤外線一光子のエネルギーを測定するために,NbとAlを超伝導素材とする超伝導トンネル接合素子(Superconducting Tunnel Junvtion; STJ)の多チャンネルSTJ検出器(50 x 8ピクセル)と分光素子を組み合わせた観測装置(図4)を用いる。50ピクセルと分光素子(回折格子)で15〜30meVの遠赤外光のエネルギーを一光子ごとに2%の精度で測定する。それを8列並べることによって位置情報も8点得る。主鏡・副鏡を1.8Kクライオスタットに格納し,焦平面の反射鏡・分光素子・Nb/Al-STJ検出器を0.4Kクライオスタットに格納した赤外線観測装置を製作し, これをJAXA宇宙赤外線観測ロケットに搭載して観測実験を行う。ロケット実験と衛星実験の仕様を表1に示す。


    図4.宇宙赤外線望遠鏡. Nb/Al-STJ検出器(左図),多チャンネルSTJ検出器と回折素子を組み合わせた焦平面検出器(中央図)と冷凍機内に設置された宇宙赤外線望遠鏡(右図)。


    表1. ロケット実験と衛星実験の観測装置の仕様。
    望遠鏡口径 視野角検出器ピクセル数データ収集時間冷凍機
    ロケット実験 15cm 0.006°x 0.05°Nb/Al-STJ 50 x 8200sec3Heソープション減圧冷凍機 0.4K
    衛星実験 20cm 0.1°Hf-STJ 20 x 20100daysADR冷凍機 0.1K

    2016年度までの研究でSTJ作成方法を改善し,STJサイズを小さくすることによって,ノイズ,リーク電流を大幅に低減して,ロケット実験搭載用STJのリーク電流に対する要求を満たすSTJの作成に成功した。極低温0.4Kで動作するSOI技術を用いた低ノイズ前置増幅器等のエレクトロニクスの開発を進めており,この開発によってNb/Al-STJ検出器と極低温低ノイズ前置増幅器によって遠赤外光一光子の検出を実現する。

    これらと並行して将来の赤外線衛星搭載に向けたエネルギーギャップの小さいハフニウムを用いたHf-STJ検出器の開発を行っており,可視光レーザーで光応答信号を検出することに成功している。


宇宙背景ニュートリノ崩壊探索

Last update: 30 Mar 2016